気楽に暮らしたい。

シンプルライフと日々のグダグダ。

私が見かけた保険と貧困 貧困が貧困を呼ぶ負のループ 保険営業レディBさん

f:id:mim222:20240617131211j:image

貧困が連鎖する

20代後半、自分探しをしていた時期があった。手取り16万円の契約社員。夜遅くまでの残業も続いて、もうちょっと稼げた月もあった気がするけど、年収は250万円くらいだった思う。営業やディレクターのような仕事で、ストレスも大きくお給料に見合わない内容だった。いつしか体もおかしくなり、そんな人生を変えたくて、仕事をやめて自分探しをすることにした。

 

人生を変えようと思って、懐かしい友達を訪ね歩いて、海外旅行に行って、思いつく限りのことをして、職業訓練校にも行った。1年位は無職だった。少ないお給料を貯めたお金、不用品を売ったお金、失業保険、職業訓練校に行っている間は10万円程度の給付があったと思う。

 

長期で海外に行った後、職業訓練校に行って給付が切れて転職するまでの間が本当に切羽詰まってた経済状況だった。そんな中、保険会社に就職した友人と再会することになった。

ただ、彼女のことが好きだったから

懐かしい友人と再会する中で、学生時代大好きだった友人Bさんにも連絡をした。彼女といるとなんだかホッとする。ほんわかした彼女が大好きだった。再会をしたその日はこれまであった事などを楽しく話して終わった。

 

現在は保険会社で営業をしていて、歩合のため、お給料は15万円程度。商談の時のカフェ代を一旦立て替えないといけないので辛い。カフェ代の立て替えが生活費をかなり圧迫しているという話を聞いた。

 

当時私は保険に入らなきゃ行けないと思い込んでいた。だから保険についてもっと知りたいと思っていた。ある日、彼女の会社でワークショップがあるから遊びに来ないかと誘われて行くことにした。

 

ボスの登場から始まる激しい勧誘

ワークショップはわきあいあいと進んだ。その後、ボスの登場によって空気は一変する事になる。どうやらこの日は保険のセールスというより、保険の営業レディの勧誘だったらしい。保険の営業レディの求人は基本給が15万円程度で歩合があるから稼げる、中抜けしたりしても良いらしく、業務委託?のような扱いだと言っていた気がする。社会保険にまでは話が及ばなかったので不明です。

 

このような求人内容では大手の求人媒体に掲載ができないらしい。なので、ハローワーク の外などに立ってゲリラで勧誘するなど採用に困っているという。なので求職中の私が呼ばれたらしい。ボスは50代後半の男性。保険の営業は稼げるし、時間の融通もきくということを捲し立てられた。「契約します」と言わないと帰れないような雰囲気。敵は手強い。完全に警戒モードとなった。

 

無職の状態なのに月8000円の保険も勧められた。

会議室や喫茶店での監禁営業があるってテレビで見たことがある。どうにかして断らないと…今ならさっさと帰るけど、どうにかして断らないとと思った私は疑問をぶつけてみることにした。

 

・人が集まらないのは貧困を招くような待遇に問題がある。求人媒体に掲載できないのは待遇に問題があると判断されたからではないか。強引に勧誘するのではなく待遇を見直すべきではないか(つまりはこんな待遇で働きたくない)

 

・無職の状態である旨は説明しており、月8000円は現在の私の状態では生活費の中で非常に大きなウエイトを占める。このような状態で親と娘ほど年下の20代の女性に高額の保険商品を勧める事をおかしいと思わなかったのか

 

会社の利益が〜などと言った答えが返ってきた。自分自身や総合職で入社した正社員は高待遇であることが会話から伺えた。総合職の正社員は待遇がいいのでコストがかかると言った話をされた記憶がある

 

搾取の対象になっているようにしか思えず、不信感が募っていった。もし、あなたの娘さんやお孫さんが私と同じ状態でも同じ勧誘ができるのか聞いてみた。

 

「それは嫌だ。。」

 

といったような事を口にしてた気がする‥自分の大事な人には勧められないのに赤の他人の私は貧困に突き落としても良いと思ってるだ、この人。ひどい。ひどく悲しくなったのを覚えてる。

 

ワークショップに来ただけのつもりだった。保険は必要なものだと思ってたから知りたかった。勉強した上で友人のためにも契約したいと思ってた。けど、聞きたいことに対する返答は適当に流されて、とにかく加入して欲しい、保険レディになれば稼げるなどの激しい勧誘のループに陥った。

 

来なければよかった。悲しかった。

1時間は勧誘されていたと思うけど、商品に対してきいてもはぐらかされる。払った金額に対して何がどう、わたしを守ってくれるのか全然分からなかった。商品に自信があるのなら説明はしっかりできるはずなのではないか。

 

20代が保険のセールスに狙われるわけ

「びっくりさせてごめんね」と言って穏やかそうな50代くらいの女性が見送ってくれた。ボスがゴリゴリの営業マンなだけで、総合職入社の事務の方などは穏やかな労働環境らしい。事務の人もたくさんオフィスにいて、たしかに和やかな雰囲気のように見えた。悪い人ではないんだけど、営業になると熱が入っちゃう人なんだよね、そんな事を言われた気がする。

 

なんでお金もキャリアもない私を勧誘するんですか?不思議に思って聞いてみた。20代だとまだ周りの人が保険に入っていないから、お友達経由で契約が取れやすいらしい。50代の保険レディの方が多いけど、周りの人はもうみんな保険に入っているから契約が取れないらしい。20代は保険を使う機会もないだろうから、保険会社としては美味しいのだと思う。

 

25歳から60歳まで35年間保険に入るとする

8000円×12=96,000円

35年間で340万円ほど。

 

オプションの説明もされたので、もし加入していたらもっと高くなっていたと思う。

オプションをつけた保険の金額は11,000円程度だったと思う

 

1年間で132,000円

35年で460万円となる。

 

なかなかえぐい金額だ

※掛け捨てかお金が返ってくるタイプかは覚えていないので単純計算です

 

その保険会社は大都会の一際目立つ綺麗なビルに入っていた。このビルの家賃はとんでもなく高そうだ、総合職の事務員さんのお給料…コストがとんでもなくかかっていそうなこと、ボーッと生きてた20代の私でもなんとなくわかった。

 

支払うのが大きく負担になりそうな高額な保険。頑張って支払う保険料。いつか私が困った時に使われるんだよ…ね?

 

8000円の保険料は無職の私には大きな金額だった。自炊なら2週間はご飯が食べられる

 

なんだかもやもやして、当時は言語化できなかった違和感を握りつぶした記憶がある。保険は必要なものだから、加入してもいいかもと来る前は思っていたから。

 

捲し立てられた事で私が警戒しすぎしまったのもあるみたい。会社そのものの雰囲気はけして悪くないらしく、保険の営業レディの方は50代で結婚していて収入を気にしていない人が多いよと聞いた。収入は下がるけど、そこまでプレッシャーはないから、こういう働き方が楽だから働いている人が多いよと言っていた。その会社では契約が取れなくても気にしない主婦の方が多いと言っていた記憶がある。

 

20代で一人暮らしなのは私だけだから生活が大変だけど、結婚している人のバイト感覚ならそんなに大変じゃないかもと彼女は言った

 

警戒しすぎたのは申し訳なかったけど、あの時保険の契約をしていたら面倒な事になっていたと思うので、断ってよかったと思っている。

 

生涯払うことになってた約500万円の保険料。新NISAで運用してたから…と思うと本当に加入しなくて良かったと思ってる。もし入るとしても、保数千円の共済保険で十分だし。

 

1件の契約でも影響が大きい

パートナーが保険会社で働いている人が職場にいてそこでもいろいろ聞いたり、転職イベントで保険会社の人に強引にカウンターに座らされたりして、保険の営業マンの仕事の話を聞く機会があった

 

転職イベントでキャッチされた勧誘の方から、契約を6本?くらい維持できていれば年収600万円くらい維持できるという話をされた記憶がある。

 

職場の元同僚男性は同棲している彼女が保険の営業職だった。結婚はしておらず、入りたくないのに保険にたくさん入らされて解約したいといったら「私の年収が落ちるから嫌だ」と言われて大喧嘩になったという話を聞いた。(支払いは彼女さん)

 

契約の有無で年収が大きく変わって、自分の生活にダイレクトに影響があるみたい。だから、自分の会社の商品をすすめられる事はあっても、本当に自分にベストな保険や、保険に加入しなくても問題がないといった事を教えてもらうのは難しい。

 

全ての商品と公共の保険、自分の会社の福利厚生を踏まえた上で判断したいけど、そんな相談相手は存在しない。(有料のFPさんで良い方に出会えたらラッキー)

 

お金のことも、保険も自分で勉強するしかないのだ。

 

すべての保険が悪いとは思わないけど‥

その後もしばらくは転職活動で金銭的に余裕がない日々が続いた。貯金はドンドン減っていく。残高数十万円というギリギリで焦っている中、彼女からは自分のノルマがあるからまたオフィスに来て欲しい、今のお給料では生活ができないから、保険に入ってくれないかという連絡しか来なくなってしまった。自分の状況を伝えて今は難しいことを伝えても、だめだった。ただ懐かしい友人に会いたかっただけだったのに…

 

貧困のループになってたように思う。

私は悲しかった。

 

必要な保険や、良い保険もあるとは思う。けれど保険に対して警戒心があるのはこういった苦い出来事のせいかもしれない。

 

セールスを受ける前は保険は必要なものであり、保険に入れば安心して暮らせるんだと思っていた。保険に入ればどう安心できるのか?という事を説明してもらえるのかと思って、いくつか質問をしたけど適当にはぐらかされて、とにかく加入してくれの一点張り。会話や言葉尻から、保険の必要性や、必要だとしても料金が妥当なのか疑問が生じた。仕事が決まって落ち着いたら契約をするつもりだったけど…民間の医療保険は本当に必要なモノなのだろうか。価格は適正なのだろうか。胸がざわざわした。勉強しなきゃいけないという思いだけが残った。

 

会社で加入している福利厚生、傷病手当、貯金でそなえる、高額医療費制度、頼れる家族がいれば一次的に扶養に入ったり、いろんな手段がある事をのちに知る事になりました。最悪の場合は生活保護という社会保障もある。

 

損害保険などの必要な保険もあるし、公的な保険、会社の福利厚生、自分の状況、自分の気持ちや好みなどをもとに自分で勉強して判断するしかないって今は思ってる都民共済は気になってる)

 

自分が納得をしていればいいと思うのですが、お金の勉強をした今あらためて思うのは

 

高いよ〜。そして、喫茶店でコーヒーすら頼めない無職の私に8000円もする保険すすめてこないで…ゴリゴリ営業してきた保険会社ボスは年収1000万円超えててもおかしくないと思う。50代の高収入男性が20代の無職の女性に月8000円の保険に加入させようとする事や月収15万円の仕事で仕事をさせようしているのは搾取の対象でしかなく、悪質だと思う。

 

貧困に沈めるような事しないで欲しかった。保険会社の彼女には転職を進めてあげればよかったのかも。

 

そして、当時はもちろん携帯は3大キャリアで1万円払っていました。無職なのに、保険と携帯電話料金で月18,000円〜21,000円(年間で216,000〜約25万円)の支払いを背負う事になっていたと考えると恐ろしい。難しいことはわからない。でもなんか不安だし、必要だから入らなきゃいけないんだよね?高いけどきっとこれは必要なんだ。

 

こんな感じで高額な保険に加入しかけていました。高すぎる医療保険、必要のない生命保険、3大キャリアに1万円。無駄遣いしていないのにお金がない状態に陥ってしまう低収入の独身女性あるあるなのかもしれない。この数万円を新NISAに回して投資をする選択は大きな大きな分かれ道になってしまう。

 

お金がない時ほど節約してお金の勉強をしないといけないのに、お金がない時ほど3大キャリアに1万円以上支払い、必要のない保険との接点が多かったように思う。(保険入りなよ〜紹介してあげるね。保険は必要だからねという会話をよく聞いたが、今はそんな会話を聞かなくなった)

 

今の20代は賢い。SNSyoutubeの影響で情報が入ってくる。

 

もしあの時保険に加入してたら生涯で500万円払う事になっていて、辞める時には揉めてたと思う。貧困のループの地獄絵図になっていたかもしれない。友達に生涯で500万円払わせるって、相当重いことだ。

 

お金のことは自分で勉強するしかないなと思った若き日の苦い出来事でした。